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岡野雄一さん北九州ツアー2010-09-02

夏の初めころから画策を練っていた「岡野雄一北九州ライブツアー」がついに実現した。メインスポンサーはおなじみ「音楽と集いの夕べ」主宰の武田先生と、風の杜オーナーのCANさんである。ここに私のわがままをちょいと聞いていただいて療育センターのうさぎ通園でもやっていただく。通園の先生にあらかじめお願いはしていたけど、バックダンサー(長崎では「ちんちんシスターズ」と呼ばれる)がえらく沢山踊ってくれて岡野さんも力が入っておらぶ(九州で「叫ぶ」の意)ことおらぶこと。気持ちよく昼の部をこなした我々は私の自宅に車を一台置きに帰って珈琲で一休み。今日のために元長崎市民だったまのじ姫を途中でピックアップして再度療育センターへ向かう。会場が開くのを待ってセッティングを開始して外に出てみるとすでに一席設けられていて早くも酔っ払い化する準備ができていた。そう、今回は武田先生の粋な計らいでワンドリンクコンサートのスタイルなのである。普段飲まない、いや飲めないはずのまのじ姫もなぜかワイン片手に上機嫌。

そうこうする内にお客さんが集まってきて第二部の始まり始まり。後ろの壁には岡野さんの漫画が貼ってあり、その前で唄う氏がなんかいつもよりかっこよく見えたのは酒のためではないと思う。ビートの効いた覚えやすくてちょいと○○な歌詞の「寺町坊譚」では車椅子のみんなも前に出てきてみんなで踊る。今までもこの集いに寄せてもらっているがこんなノリは初めてで楽しさ倍増。私はおよそ5年間障害のある人たちを見てきたのだけど、正直付き合いが浅いうちは相手の感情を正確に読み取ることがまだできない。だけどこういった文化的な刺激は確実に相手に伝わり、彼らに感動を呼ぶ。つまり魂が揺さぶられるってやつ。そしておまけ的に私の心も嬉しがるというわけ。そしてその後打ち上げと称して夜の小倉の街で旨い魚をつまみに深くて熱い話を交わしながら酒を飲む。いやぁ、いつもながら至福口福の時間でありますが、私には明日がある。いや、明日も明後日も呑むからほどほどにして二次会には流れずにさっくりとタクシーの客となる。と書くと良い子みたいだけど家に帰ってからも岡野さんと呑んだのは言うまでもない。そしてシャッターが落ちるように私の意識も落ちた。

翌朝。汗とある出人?を珈琲で中和して小倉に向かい、姫をピックアップして目指すは門司港レトロ地区。旧門司税関ギャラリーの鶴原寿昇さんの書展にお邪魔する。表意文字が象形文字に昇華してる様を見て我が脳が喜ぶ。そして右脳を鍛えなおしたいと黙考。そしてやっぱり無理だ〜と開き直るといういつものパターン。本人もいたので声をかけて、少しだけおしゃべりをする。うーむ。私ももう少し真剣に生きていますとアピールするべきかと悩むが、やはり開き直る。わたしはわたし。これからも変わらないだろうきっと。そんなことを片隅で考えながらはるぷぅの元へ車を走らせると、ちょうど脳波検査に出発するところに出くわして岡野さんと初めてのご対面。「おっちゃんエエ艶しとんなあ」と言ったとか言わないとか。でもなかなか反応が良かったのが印象に残った。まのじ姫とも久しぶりの対面で嬉しそうだったはるぷぅ。

姫と小倉駅で別れてから一路赤村を目指す。スバヤク機材を据え付けてビール、いや、長崎から駆けつけてくる機械屋さんを待つ。そして無事に到着したビールじゃなかった機械屋さんを囲んで夕暮れの山を眺めながら早くも酔う。日が沈んだころCANさんの料理をいただきながらライブ開始。一部からちんちんブラザーズのリクエストが来ていたけど今回は残念ながらPA担当だったので、後ろで笑いをこらえつつビールも飲みつつミキサーのつまみを回す。そしてやっぱりここでも寺町坊譚が大うけして、投げ銭ライブのドンブリ鉢がオーディエンスの手から手に回ってゆくのを嬉しく眺めた。そうして夜も更けた頃に出てきた鹿刺と熊ん蜂の子をつまみながら呑むうちにまたもシャッターが落ちた。

楽しかったライブツアーも終わり、PA機材を積んで長崎へ向かう。九州道は工事渋滞の情報は入っていたけど、どうも様子が違う込み方をしていた。と思ったら後ろから救急車が二台。続いて消防車も。無線からヤバそうな状況が聞こえる。見上げるとドクターヘリも来ていた。現場を通過するときに目に入ってきたのは転覆した乗用車。現場は数年前にがけ崩れで車ごと生き埋めになって死者の出た場所。合掌。今日は安全運転で行こうと思いつつもBMWの750iLと一緒にふふわオーバーで巡航してしまう大馬鹿もん。反省。

機材を返却(しげ@佐世保さん、いつもありがとうございます)し、長崎の彫刻家シバタタカコ氏宅に向かって新台PCのネットワーク構築をさくっと済ませて、まつを氏と機械屋さん宅の秘密基地にお邪魔しトルエンとかキシレンとかアセトンとかで人がラリる様を観察させていただいた後でお諏訪さんに行ってねこをくすぐったらやっぱり今夜も酒を飲む。知った人、知らない人、呼んだ人、呼ばれた人が鎮守の杜の横の酒屋さんに集まり、徐々に宴会が始まる。昭和のメロディーや古い欧州を思い起こさせるような曲がLOCOさんのアコーディオンから流れだしてみんなの体を撫でまわし、じわじわと場が盛り上がり酒が回る。旨い。

自然な流れで二次会は焼肉。一度行きたかった七輪亭はもう臓物好きには堪らない店でありました。丸腸がなかったのが最大のショックだったけど実に満足。汗を拭きつつ三次会はくりやさん。皆がワインを飲んでいる中で焼酎を飲みつつ写真を撮ると、まぁなんとありがたい事にお二人の後ろに後光が差しているではありませんか。と、思い出すだけで酔いそうな三泊四日でありました。

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